※以下の情報は国際交流基金の情報を基に作成されています。
1975年モンゴル国立大学文学部に、副専攻として日本語コースが開設された。これがモンゴルにおける公的教育機関での日本語教育の始まりである。その後、モンゴルの民主化以降しばらくは、観光業従事や会社を興すことを目的に日本語を学習しようとする学生が主流を占めていたが、近年、他の分野を主専攻とする傍ら日本語学習をする傾向が強くなっている。また、最近は、相撲を通じて日本に興味を持つなど日本語学習の裾野が広がっている。さらに、近年はJICA青年海外協力隊による地方での活動が成果を挙げており、地域的な広がりも見せている。
また、日本語教育機関数も増加しており、多種の教育機関を合わせると現在では100校程度の学校で日本語教育が実施されています。しかし、地域によってはまだ日本語教育機関がない県もあり、実際に2006年の調査では全機関のうち90%近くに当たる機関が首都ウランバートルにあることから、地方への日本語教育の普及が課題となっています。
尚、モンゴルが民主化・市場経済化への道を選択した1990年以降、モンゴルと日本両国の関係が急速に発展したことから、日本語専門家の需要、またその養成の必要性が高まり、一種の日本語ブームが訪れた。多くの大学で日本語科が開設され、中でも新たに設立が認められた私立大学(多くは外国語教育を中心とした単科大学)の多くが日本語学科を設置したことが、日本語学習者人口の増加に好影響を及ぼしています。その関係で、現在、日本語を主専攻とする大学が多く存在し、初等・中等教育においても日本語教育が導入されていることから、様々な教育機関で広く日本語学習の機会が提供されていることが、モンゴルの日本語教育の特徴です。
また、日本語を学ぶ学生の多くは留学や日本関連企業への就職を希望し、日本語を専攻している。優秀な学生が文部科学省の日本語・日本文化研修留学生として渡日するほか、近年は私費留学をする学生が増加している。日本学生支援機構(以下、JASSO)の日本留学試験がモンゴルでも実施されるようになったことから、私費留学への挑戦が容易になった。その結果、日本への人口比留学率が世界第1位(2007年JASSO調査による)ともなっているのも特筆すべき内容である。
初等・中等教育では、『ひろこさんのたのしいにほんご』(凡人社)、『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク)、『日本語初歩』(凡人社)等を利用し、他に自主制作教科書(例えば『できるよ(1)〜(4)』モンゴル日本語教師会)を使用している。また、桜美林大学がモンゴルの中等教育向けに作成した教室活動集『モンゴルの風』を副教材として取り入れている機関もある。
高等教育では、日本で出版された教材の他に、モンゴル国立大学で作成された『モンゴル人のための日本語教科書初級』を使用している。大学の教員が会話教材を開発し、当該大学の授業で使用している例が見られる。
初等・中等教育で日本語教師になるには、日本語教育の学士号を取得していること。
高等教育で日本語教師になるには、修士号を取得していること。
尚、上記を助ける動きとして、日本語教師養成機関(プログラム)として、初等・中等教育課程における日本語教員の資格に関しては、2006年度よりモンゴル国立教育大学外国語学部東洋言語学科日本語コースに日本語教員養成コースが設置され、同コースに対しては、教育省が積極的な支援を行っている。また、複数の私立大学にも日本語教員養成コースがある。
さて、日本人がモンゴルで日本語教師になるためにはどのような条件が必要だろうか。
基本的に上記のプロセスが必要だが、国内研修としては、モンゴル・日本センターが現職教師及び教師を目指す人を対象とした「日本語教育実習コース」と地方および首都の中学校教員を対象とした「日本語教授法演習コース」を実施している。また、ウランバートル市教育局においては、初等・中等教育機関日本語教員を対象にした勉強会を実施しているので、そのあたりが参考となります。また、大学などのスポンサーがいれば、日本語教師関連の資格を保持している事や経験をしている事が条件で、日本語教師として働ける場合もあります。
尚、現地の日本人日本語教師の状況ですが、初等・中等教育機関において日本語ネイティブ(日本人)教師を雇用している学校の割合は5分の1程度である。高等教育機関においては、常勤講師を雇用できる大学は少数であり、モンゴル在留邦人を非常勤講師として活用するケースが多い。日本語ネイティブ教師の担当は会話や漢字、日本事情の授業が多いです。
5-5-2制。基本的には12年制の小・中・高一貫教育であり、小学校が5年間、中学校が5年間、高校が2年間となっており、小・中学校の10年間が義務教育となっている。高等教育では、大学の学部が4年間、大学院修士課程が1.5〜2年間、博士課程が3年間となっている。
このうち、外国語教育に関して、初等・中等教育段階では2007年度より4年生から英語が第1必修外国語として、また7〜9年生の3年間はロシア語が第2必修外国語として教えられている。学校によってはそれ以外に選択もしくは選択必修の外国語として、日本語や中国語、韓国語、ロシア語、フランス語、ドイツ語などが教えられている。外国語特別校(特に外国語教育に力を入れている学校)では、1年生や2年生の低学年時より第1外国語として選択した外国語を必修として教え、通常校と同様に4年生より英語を、7年生から3年間はロシア語を必修として教えている。したがって、外国語特別校で日本語を第1外国語として選択した場合は卒業までに日本語・英語・ロシア語の3言語を学習することになる。初等・中等教育機関では英語の学習者数が最も多く、ロシア語、日本語、韓国語、中国語が続いている。
基本情報 | |
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人口 | 約273万5,800人(2009年末現在) |
面積 | 約157万平方キロメートル(日本の約4倍) |
首都 | ウランバートル Ulaanbaatar |
通貨・チップ | 通貨は、トグログ(MNT)。参考に1米ドル=1,440.76トグログ(2009年通年平均)。またチップが必要です。ドライバーやガイド、ホテルには必要になります。レストランでは不要です。放牧民にはタバコやお酒なども喜ばれます。 |
時差 | 日本−1時間。たとえば、日本が正午12時であれば、モンゴルは午前11時である。 |
サマータイム | 現在は導入されていない |
国際電話 | 国際電話は市内のホテルから自由にかけられます。ホテル外線+00+81(日本の国番号)に0を除いた相手先の市外局番+市内番号+相手先の電話番号でかけられます。 |
携帯電話 | 現地でレンタルすること可能。尚、モンゴル国内ではGSM方式の携帯電話が使用されているので、GSM方式に対応する端末を持参すれば、SIMカードを購入する事で携帯電話を使用できる。国際電話をかける事も可能だが非常に割高なので注意が必要。 |
飲料水 | 生水は避けるた方がよい、基本的にミネラルウォーターの利用が好ましい。 |
病院 | 基本的に医療設備は、近隣の中国、韓国等と比べて劣悪であると言われる。医療機関を使わずに済むような自己管理が必要とされる。 |
その他 | モンゴルの年間平約降雨量はとても少なく、7〜8月に集中しています。モンゴルに草原が多いのは、この雨が少なく、乾燥しているというステップ気候に適した草が生育しているためです。また、1年のうち最高気温は40度、最低気温はマイナス30度にもなるということもあるなど、年の温度差は激しいです。モンゴルの四季は、3-5月頃が春、6-8月ごろは夏、9-11月頃は秋、12-2月頃は冬となっています。 春は天候が不安定であり1日寒暖の差が厳しく、夏と秋は昼と朝晩の気温差が大きいです。冬は寒く雪も多いですが、防寒をしっかりすれば十分過ごしやすいと言えます。なお、夏の時期は半袖などの服装でもよいですが、日差しが強いので帽子、サングラス等は必携品です。ただ、夜間は夏でも冷え込むことがあるので暖かいセーターやジャンバーが必要です。靴は歩きやすいスニーカー等がよいのでしょう。また、インターネットやE-mailを利用する場合はホテルのビジネスセンターや市内のインターネットカフェで利用できますが、日本語対応のパソコンは基本的に少ないです。 |
ビザ | 日本語教師の活動をする場合、30日間まではビザなし、3ヵ月間までは観光ビザ、6ヵ月間以上は就労ビザを申請して対応します。 |