ニュージーランドで日本語教育が盛んになった第1の理由として、ニュージーランドと日本の経済関係があげられる。1998年には、日本はニュージーランドの第2の輸出相手国であり、第3の輸入相手国になった。ニュージーランドで日本語学習者が増加した背景には、ニュージーランドを取り巻く国際経済環境の変化が大きく作用していると言える。日本からニュージーランドへの観光客も多く、日本語学習は観光業界就職への足がかりともなる。さらに、近年では、日本のアニメやゲームに興味を持ち、日本語学習を始める学生もいる。
そもそも、 ニュージーランドの日本語教育は、1965年にマッセイ(Massey)大学に日本語の学位課程が設けられたのが最初で、その後、1968年にオークランド(Auckland)大学、1970年にワイカト(Waikato)大学、1971年にカンタベリー(Canterbury)大学と、年々、日本語講座が開設され、現在ではニュージーランドにある8つの国立大学中7大学で日本教育が行なわれている。
中等教育機関においては、1967年から高校レベルで試験的に日本語教育が開始され、1973年には中等教育終了資格試験に日本語科目が導入された。この年、27校で日本語教育が行なわれており、学習者数は626人であった。
その後、1980年代の後半から1996年まで、中等教育においては「津波」と言われる急激な日本語学習者の増加が続いた。1994年には、それまで学習者数の最も多かったフランス語を抜いて、1998年まで日本語学習者数が1位となった。その後、1999年に再び第2位となった後、引き続き減少が見られるものの、フランス語に次いで第2位の学習者数を維持している。
教育省が定める教科書はなく、教師が独自に開発した教材や複数の市販の教材を使用している場合が多い。日本で出版された教材はあまり使われておらず、『Obentoo』、『Active Japanese』、『International Language Series-Hai!』、『Kimono』、『Ima』、『Mirai』、『Getting there in Japanese』など、オーストラリア、ニュージーランドで開発された教材がよく使われてきた。
2003年末にはニュージーランドの現職日本人日本語教師が開発した11年生用の教材が出版され、教師から好評を得て使用されている。さらに、2004年にはニュージーランド人教師によるニュージーランドカリキュラム(レベル1-6)に合った教科書『きっとできる』が完成した。国際交流基金刊行の中等教育向け初級日本語素材集『教科書を作ろう』・『続教科書を作ろう』英訳版は、教師の大きな助力となっている。
ニュージーランドでは、初等教育8年と、中等教育5年に分かれており、高等教育機関には、大学(University)とポリテクニーク(Polytechnic)がある。
義務教育(義務教育制度は、1877年から開始)は満6歳の誕生日から16歳の誕生日までであるが、実際にはほとんどすべての子どもは5歳の誕生日から学校に入る。初等教育機関には、1年生から8年生まであるFull primary schoolと1年生から6年生までのContributing school、7、8年生だけのIntermediate schoolがある。
中等教育機関(Secondary School)はHigh schoolやCollegeなどの名称を持つが、7年生から13年生までの学校と、9年生から13年生までの学校が混在する。義務教育が修了する16歳は、大半の子どもにとっては12年生にあたるが、法的には16歳の誕生日に学校をやめてよい。高等教育機関進学希望者は13年生まで在学する場合が多い。
このほかに、初等教育と中等教育が合併した1年生から13年生までの学校Composite Schoolや遠隔地にすむ児童生徒のために通信学校Correspondence School(自分の望む科目が在学校にないときには通学者も受講が可能。都市部でも受講者が少なく日本語が開講されなければ、学校1室で通信教育での学習を余儀なくされる)がある。また、教育省の認可のもとに両親が子どもを教育するHome-based schoolingも可能で、近年増加している。
基本情報 | |
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人口 | 約400万人。世界で最も人口密度の低い国といわれている。 |
面積 | 国土は全体で、26万6200km²(日本の約4分の3程度の面積) |
首都 | ウェリントン |
通貨・チップ | ニュージーランド・ドル紙幣(5、10、20、50、100各ドル紙幣)コイン(10、20、50各セント硬貨と1ドル、2ドル硬貨) チップは基本的に不要。ただ、良いサービスを受けた場合は文字通りチップを払ってもよい。 |
時差 | 日本より3時間早い(+3時間) ただし、夏期(10月第1日曜日〜3月第3日曜日)は1時間進めるので、+4時間 |
サマータイム | 導入しています。9月の最終日曜日から翌年4月の第一日曜日の間、通常より1時間早い夏時間を採用しています。 |
市内電話 | コインを入れてかける方法、テレフォンカードでかける方法があり、空港や主要駅などには、クレジットカードを読み取り口に通してかけられる公衆電話もある。かつて公衆電話はコイン専用、テレフォンカード専用にわかれていたが、両方使える新型の公衆電話も登場。
両方使える電話のブースは黄色と青になっている。 ちなみに公衆電話からかけた場合の市内通話の料金は、日本のように10円単位ではなく、NZ$0.5と高め。その代わり、かなりの時間通話できる。家庭の一般加入電話を使うと、市内は無料でかけられる (基本料金に市内電話料金が含まれている)。 |
国際電話 | オペレーターを通すと高くなるので、ダイヤル直通でかけるのが第一のポイント。ニュージーランドの場合、カードの番号を押して使う「Talk Talkカード」などを使うと、国際電話が安くなり、安い電話会社だと、ニュージーランドから日本まで1分NZ$0.18〜0.20 (約12〜14円)くらい。 |
携帯電話 | NZではプリペイドが主流。プリペイドでも安いプランもあり。カードは街中のいたるところで、購入できる。日本のように毎月基本料を払うタイプもあるが、契約時、長期契約を要求される事がおおいため、長期の留学生以外は不向き。 |
飲料水 | ニュージーランドの各都市、町にはしっかりとした給水設備があり、安心して水道の水を飲むことが可能です。 |
病院 | ニュージーランドでは一般的な診断は、最初に一般開業医(General Practitioner、通称GP)と呼ばれるところで、内科、小児科、産婦人科などすべての分野の診察を行う。風邪や軽い怪我など、一般的な症状の場合はGPに処方箋をもらい、薬局で薬を購入する。診察を受けるには、必ず電話で予約すること。専門医(Specialist)の治療が必要と診断された場合は、GPに専門医を紹介してもらう。その場合、それぞれの病状にあった専門医にかかることになる。一般
に専門医の予約は少なくとも1週間先となるので、緊急の場合はGPに頼んで優先的に予約を取ってもらう。また、緊急に入院が必要な場合、手術が必要な場合は、病院(Hospital)で対応する。病院には総合病院、専門医のクリニックに分けられ、さらに公立と私立の両方がある。ほとんどの総合病院には24時間態勢の救急病棟(Casualty
Department)が設けられ、日本の救急病院の役割を担っている。また、病院の利用は救急車(Ambulance)で運ばれるなどの緊急時を除いては、専門医と同じくGPによる紹介が基本的に必要。 それぞれ、海外旅行傷害保険が効くところで対応してもらう事。実際には、レシートをもらって後日、保険会社にクレームする事となるが、場所によっては病院自身で保険の対応をし、無料で応対できるシステムのところもあるので、保険証書は必ず携行する事。 |
その他 | ニュージーランドは、マオリ文化を抜きには語れません。マオリはアオテアロア(ニュージーランドのこと)に最初に入植した先住民族です。約1000年前にこの土地に渡ってきて、現在のマオリの人口は全体の約14%程度です。 彼らの文化と言語はニュージーランド人の生活に密接に関わっています。 |
ビザ | 日本語教師の活動には、就労ビザ(ボランティア用)かワーキングホリデービザが適当 |