学校の地域 | ニュージーランド Manukau |
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学校の形態 | 公立高校 |
職員数/生徒数 | 135名/1390名 |
私が教えた学年 | Year9〜13 |
1週間の平均授業数 | 6時間/week |
学校の様子 | 2004年に設立し現在は約1400人の生徒が通う学校です。学力、文化、スポーツ、社会奉仕の分野で幅広い学習分野を通じて国際的に活躍できる学習機会を提供している学校です。学校では、すべての学習者の学習ニーズを満たすように柔軟なカリキュラムを提供しています。それぞれの生徒に合わせたレベルでグループクラスを作り勉強していきます。留学生も幅広く受け入れています。 |
先生の授業中、机間巡視をしながら生徒の様子を見ることが結構ありました。 日本語Year10のクラスにS君(14歳)という生徒がいました。彼はやんちゃで授業中はしゃべりっぱなし、静かだなあと思うとスマホで遊んでいる。自由に離席する。まず、先生の言うことは聞かない。いつも手をかけているのですが一筋縄ではいかない困った生徒で何のために日本語クラスに来ているのか不思議でした。
ある日、せめてスマートフォンだけは禁止して授業に参加させようと、スマホをバッグに仕舞うように言いました。でも、仕舞うふりをしてまた出す。すきを見てはまた出す。30分ぐらいこのバトルを繰り返し、ついにはスマホを入れたバッグをミス・パークに預けることができました。しばらく様子を見ていると驚いたことにノートをとっていました。遊ぶ対象がなくなれば勉強をするのです。終業時にバッグを返す時、ちゃんと勉強できたことを褒めるとちょっと嬉しそうな顔をしていました。
次の日、図書室にいた時、S君がやってきて話しかけてきました。何かと思うと「日本へ帰るのは本当か、いつ帰るのか」という質問でした。もう来週の土曜日には帰国をすることを伝えると、とてもびっくりしたようです。
翌日、ちょっと気の重くなるまたS君のいる日本語の授業です。今日は、ちょっと静かかなと思いながら様子を見ていると スマートフォンを出していないのに気づきました。おしゃべりもしていません。しかも、驚いたことにノートをとっているのです。気になって「今日は、スマートフォンはどうしたの?」とつい聞いてしまいました。バッグの中にしまってあるというのです。そして、一度も注意することなく授業が終わりました。彼に、「今日はナイスボーイだったね。どうしたの」と聞くと、 「日本へ帰ると言ったのであなたをリスペクトしました。」という返事が返ってきました。びっくり仰天! 毎時間、毎時間授業を妨げ、教師を悩ませていた生徒が気持ち一つでこんなに変貌できるのですね。 私は、「私はとてもハッピー!ありがとう。1度できたことは、これからもできるということだから頑張ってね。」と言って別れました。実は、S君はシリアで生まれたシリア人です。何歳でNZに来たのかは知りませんが、安全な国に住んでいても彼を取り巻く環境は恐怖と不安の情報で満ちています。彼の不安定な行動も理解できます。でも、せっかくNZで学べる機会を得ているのですから、このチャンスを大切にしてまっすぐに成長していって欲しいと願わずにはいられません。
6時30分 | 起床 |
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6時40分 | 朝食 ミューズリー、ミルク、バナナ、アーモンド、コーヒーなど |
8時30分 | 学校到着 |
8時30分〜9時00分 | 内容 月曜日のみスタッフミーティング |
9時20分〜10時00分 | 内容 ハウスごとの集会。どんなことをしているか見て回る |
10時00分〜11時30分 | 1時間目 9年生の平仮名筆順、発音、基本文型 |
11時30分〜12時00分 | 休憩 スタッフルームでくつろぐ |
12時00分〜13時30分 | 2時間目 NZ歴史・数学・英語のミックスクラスを聴講 |
13時30分〜14時00分 | 昼食 サンドイッチ、オレンジ、チョコクッキー、せんべい、コーヒー |
14時00分〜15時30分 | 3時間目 自由時間(日本語の個別レッスンが入るときもある) |
16時00分 | 家到着 |
16時00分〜19時30分 | 買い物、図書館、散歩、おしゃべり、メール、インターネット、折り紙作りなど |
19時30分 | 夕食 サーモン照り焼き、サラダ、グレインライス、チョコ |
20時00分〜23時00分 | おしゃべり、シャワー、読書、インターネット |
23時00分 | 就寝 |
学校の地域 | ニュージーランド Mosgiel |
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地域の人口 | 約1万人 |
学校の形態 | 公立共学中高校 |
職員数/生徒数 | 70名/1000名 |
私が教えた学年 | Year7、9、10、11 |
1週間の平均授業数 | 15時間/week |
学校の様子 | 2004年に高校と中学が合併して創立された学校ですが、歴史的には1853年からこの地域での教育の場として貢献していました。学生が安全で、より良いサポートを受けながら学習できる環境、幅広いバランスのとれた教育を提供する事をモットーとしています。1998年より日本語の授業が導入 されています。日本語教育に力を入れている学校で、以前にも日本語アシスタント教師を受け入ています。Year7,9,10,11で日本語のクラス授業が行われていますが、Year12にも日本語学習者がいます。教材は、教科書やインターネット上から適切な項目を用いて授業をしたり、また手作りの教材等が使われています。 |
海外の教育現場を見てみたいという思いから、このプログラムに参加しました。日本では、子供達を海外の教育で学ばせようと、奨学金など殆どの学校が導入されています。それだけ目指される海外の教育はどのようなものかと、質の高い教育をしていることで有名なニュージーランドへ行きました。そして、私が学びたかった教育を目の前で見ることができました。ニュージーランドの教育制度や、生徒の授業への参加態度など、「こういうやり方もあるのか」と学ぶことができました。
基本授業は、討論形式で行なわれていました。先生が説明をし、生徒は疑問に思ったことを話の途中でも質問をします。こうして知識を深めていきます。しかし、ホワイトボードに書いて、ノートに残すという活動が殆どないため、次の授業時には忘れていることが多くありました。なので、私は授業で大切な所はホワイトボードに書いてあげ、生徒にノートをとらせる形で全担当の先生をアシストしました。次の授業のときも、生徒はノートで見直すことができるため、先生も大変喜んでおられました。
私が主に授業をしたこともあります。金子みすずの詩を紹介し、子供達にも詩を書いてもらいたくて、お願いして1時間いただきました。みすずの「ふしぎ」に倣って彼らのフシギについて詩を書いてもらうと、日本の子供達の感じる不思議と似ている部分があり面白かったです。
友達同士の接し方なども日本の子供達と似ていて、親しみやすく、昼休みは一緒に弁当を食べながら遊ぶことができました。放課後は、先生方とテニスをしたり、お酒を飲んだりし、休日はホストファミリーの方と一緒に近くの観光名所を周ったりと、とても楽しく過ごすことができました。
毎日が楽しく、多くを学べたこの研修は私にとって非常に貴重な経験となりました。
7時00分 | 起床 |
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7時05分 | 朝食 フレーク |
8時15分 | 学校到着 |
9時00分〜10時00分 | 1時間目 日本語の授業がある場合はアシスタント。 |
10時25分〜11時25分 11時25分〜12時25分 |
2時間目 ない場合は、次の授業の準備や、数学などの授業に参加。 |
12時30分 | 昼食 ホームステイ先でもらったサンドイッチなど |
13時05分〜14時05分 14時05分〜15時05分 |
3時間目 ない場合は、次の授業の準備や、数学などの授業に参加。 |
17時00分 | 家到着 |
17時00分〜18時30分 | 散歩やホームステイ先の子供と遊ぶ |
18時30分 | 夕食 |
19時00分〜22時00分 | テレビを見る |
22時00分 | 就寝 |
学校の地域 | ニュージーランド 南島 ダニーデン近郊 |
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地域の人口 | 約1万人 |
学校の形態 | 公立共学中高校 |
職員数/生徒数 | 70人/1,000人 |
私が教えた学年 | 中学2年〜高校1年生 |
1週間の平均授業数 | 10 lessons |
学校の様子 | 歴史的には1853年からこの地域での教育の場として貢献してきた学校。日本語教育に力を入れており、以前にも日本語アシスタント教師を受け入ています。 |
私は2007年10月から2008年10月まで、ニュージーランド(以下NZ)でアシスタントをしていました。私が派遣された学校は、南島のモスギールという町にあるタイエリ・カレッジという学校です。高校と中学が合体した学校で、Year7(12歳)からYear13(18歳)までの生徒が勉強しています。日本語は選択科目の一つで、Year9から始まります。語学のクラスは不人気で、シニア(高校生)になると一気に人数が減ってしまい、Year12・13のクラスがなかったので、Year9・10・11の授業を受け持ちました。
授業は週に、Year9・10が3回、Year11が4回で、計10回ありました。曜日によって1日に3時間全部あったり、1時間しかなかったりしたので、空いた時間は日本語の教材(プリントなど)を作ったり、他の授業を見学したりしました。NZは新年明けた2月から新年度が始まるので、私が到着した10月は最終学期でした。最初はNZの学校のシステムに驚き戸惑うばかりで、授業もなかなかうまくできず、シニアの生徒の試験などで大変でした。しかし3か月経って、学校にも英語にも授業をすることにも慣れてきて、慣れたところで年度が変わり、新しいクラスで再スタートをきることができたので、とてもよかったと思います。
日本語のN先生はそんなに日本語を話せる方ではなかったので、会話はすべて英語でした。日常のちょっとした言い回し、ジョーク、諺などを英語と日本語で教えあったり、文法だけでなく、日本とNZの文化や習慣、考え方についてなど、いろいろなことを議論しました。学校には日本人留学生が沢山いて、Year11の日本語のクラスにも何人か日本人留学生がいました。そのため、NZの生徒に日本語を、日本人留学生に英語を同時に教えるという場面もたくさんありました。留学生たちはやはり英語を学ぶことに積極的で、特に会話表現(辞書にのってないような短い相槌など)を教えることはとても楽しかったです。
N先生は私が中心となって授業をすることを許してくれたので、特に文法や例文などの説明は私がしました。こちらは指定の教科書というものがなく、授業はN先生が集めた日本語のテキスト集から抜粋したコピーを使ったり、テキストのページを参考にして自分でプリントを作って行ったりしました。英訳の練習問題、単語のクロスワード、ホワイトボードの日付用の漢字マグネットなど、N先生にも喜んでもらえました。NZにはJetプログラムで日本で英語を教えたことがある人が結構いて、N先生もその1人でした。モスギールは隣のダニーデンという街の一部で、ダニーデンは北海道の小樽の姉妹都市です。
N先生はダニーデン・小樽姉妹都市協会の副会長さんで、協会の会合やユース訪問・お花見などのイベントにも参加させてもらいました。新年度が始まり、先生1年目の先生方のためのサポートミーティングに参加しました。週1回集まり、授業中に起きた出来事、問題な生徒、自分が取った行動、効果的な対処方法について話し合いました。ベテランの先生が2人アドバイスをしてくれます。先生1年目というところで立場も年齢も近かったので、そのメンバーとはとてもいい友達になり、一緒に食事に行ったり飲みに行ったりもしました。日本語の授業以外にも、修学旅行やキャンプ、スキー合宿、ファッションショー、オープンディなどたくさんの行事に参加しました。
Year7の料理の授業にお邪魔してうどんの試食会をしたり、クラブ活動にも参加したかったので、経験のあったバレーボールのアシスタントコーチを申し出て、やらせてもらいました。また、マオリの伝統舞踊KapaHakaのチームが発足し、それのお手伝いもしました。KapaHakaのメンバーは私が学校を去る時に、私のために歌を歌ってくれました。先生方全員が私が日本に帰ることを惜しんでくれました。このプログラムに参加した1年は私の宝物です。
7時 | 起床 |
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7時30分 | 朝食 トースト、シリアル etc |
8時15分 | 学校到着 |
8時25分〜9時40分 | スタッフミーティング |
9時50分〜 | Year9〜Year11 日本語授業 |
〜12時10分 | 他授業見学・日本語授業準備・教材作成 |
12時10分〜12時50分 | 昼食 サンドイッチ、ホットサンド、サラダ、果物 etc |
13時10分〜 | Year9〜Year11 日本語授業 |
〜15時10分 | 他授業見学・日本語授業準備・教材作成 |
15時20分〜16時30分 | クラブ活動・ジム通い・日本語授業教材作成 |
17時 | 家到着 |
17時〜18時30分 | シャワー・勉強 |
18時30分 | 夕食 パスタ・カレー・マッシュポテト・ミンチ肉料理etc |
19時00分〜23時00分 | TV・勉強・団欒etc.. |
23時00分 | 就寝 |